利用者アンケート調査結果(2023)

2023年8月14日

びじっとは九州市立大学濱野健教授と共同で、びじっと利用者アンケートをおこないました。

面会交流支援を利用される前に利用者さまが抱えていた不安が、支援利用後は大幅に低減されている点は、改めて注目させていただきたいと思います。また、支援卒業に対する同居親・別居親のニーズの違いも認識しつつ、支援卒業策にも取り組んでまいりたいと思います。

びじっとはこれからも、面会交流および面会交流支援の認知促進と、よりよい支援の提供に努めてまいります。

調査方法

  • 実施期間:2023年4月30日~2023年5月14日
  • 実施方法:Webによる無記名アンケート
  • 対象者 :びじっと支援利用者:326名
  • 回答者 :同居親32名、別居親40名:計72名
目次

【1】はじめに、面会交流支援を受けたきっかけについてお伺いします。

1-1.面会交流を初めて認識したのは、どのタイミングですか?(必須・単一選択)

同居親の方が早いタイミングで、面会交流を意識していることがわかります。


1-2.面会交流について、どこで/誰から情報を得ましたか。(必須・複数選択)

情報入手は弁護士・インターネット、次いで家裁の順番です。


1-3.面会交流の実施を初めに提案したのは、どちらですか。(必須・単一選択)

面会交流の提案は別居親からが多いですが、同居親からの提案もかなりの数を占めます。


1-4.面会交流支援団体(びじっと以外も含む)の利用を初めに提案したのは、どちらですか。(必須・単一選択)

支援団体の利用は、同居親の方が積極的です。


1-5.面会交流支援団体(びじっと以外も含む)について、どこで/誰から情報を得ましたか。(必須・複数選択)

情報入手は弁護士・インターネット、次いで家裁の順番です。


1-6.支援内容の確認後、すぐに利用してみようと思いましたか。(必須・単一選択)

支援団体の利用は、同居親の方が積極的です。


1-7.支援の利用に際し、どのようなことが気がかりでしたか。(必須・複数選択)
1-8.支援利用してみて現在も気がかりなのは、どんなことですか。(必須・複数選択)

同居親・別居親ともに支援前は多くの心配を抱えていましたが、支援開始後は不安が激減していることがわかります。ただ「いつ卒業できるか」の心配だけは減っていません。


1-9.面会交流支援にかかる費用は、どなたが支払っていますか。(必須・単一選択)

費用は折半のケースが比較的多いです。


1-10.あなたが面会交流をおこなう理由をお聞かせください。(必須・複数選択)

どちらの親も「子どものため」を第一に考えています。


1-11.面会交流は「子どもの権利」であることを、どこで/誰から知りましたか。(必須・複数選択)

情報入手はインターネット・弁護士、次いで家裁の順番です。

【2】次に、面会の状況についてお伺いします。

2-1.あなたはびじっとの支援を利用して何年目ですか。(必須・単一選択)

3年以上支援を受けている方も多くいらっしゃいます。

2-2.あなたの面会対象のお子さんの年齢をお聞かせください。(単一選択)

小学生、幼児が多いですが、中学生のお子さんもいらっしゃいます。

2-3.あなたが現在利用している支援型をお聞かせください。(末子の年齢)(必須・複数選択)

2-4.現在の、一回あたりのおよその面会時間をお聞かせください。(単一選択)

3時間までの面会が6割を占めますが、長時間面会もおこなわれています。

2-5.現在の、年間あたりのおよその面会頻度をお聞かせください。(単一選択)

年間12回(月1回)の方が多いですが、少ない頻度の方もいらっしゃいます。

2-6-1.面会交流を開始して、お子さん自身に良い変化はありましたか。(必須・単一選択)

良い変化を感じた方が、平均して半分強。別居親の方が良い変化を感じています。

2-6-2.面会交流を開始して、お子さん自身に心配な変化はありましたか。(必須・単一選択)

心配な変化を感じた方が、平均して半分強。同居親の方が心配な変化を感じています。

2-6-3.面会交流後に、お子さんにあった良い変化あるいは心配な変化について、具体的にお聞かせ下さい。(自由記述)

面会を通じて親子関係が良好になったという良い面と、面会前後に子どもが不安定になったという心配な面があげられています。
代表的なものを紹介します。

同趣旨回答の数を同居親、別居親ごとに[同*別*]と記載します(以後同表記)。

■良い変化

  • 面会交流中に子供の笑顔が増え、甘えられるようになった。親子の関係を持続できることをお互いに確信でき良好になった、「別居親が子を愛している」という事が伝わったなど。[同1別9]
  • 不安定な時期もあったが、子どもの成長にメリットがあった。[同4別3]
  • 同居親に話せない相談をしてくれた。[別1]
  • 面会を重ねる度に、息子の成長を実感しており、付き添いスタッフに対しても当初よりも不満な様子もなく、安心している。[別1]
  • お父さんというキーワードが子ども本人の口から出るようになる機会が増えた。[別1]
  • 父親のことを私の前でも少し話すようになった(おそらく、それまでは私に遠慮していたと思われる) 。[同1]


■心配な変化

  • 面会交流前後に、子どもの体調や精神が不安定になった、夜泣き、異様に寝る、泣き喚く、なかなか寝ないなど。 [同5]
  • 別居親が同居親の悪口を子どもに伝えたこと。[同2]

2-7.お子さんが成人した時、別居親さんとお子さんがどんな関係になっていれば良いなと思いますか。(自由記述)

子どもが別居親に悩み事などを相談できる関係になれれば、と考えている方が多いです。
代表的なものを紹介します。

  • 別居親に悩み事を相談するなど頼ることのできる関係。[同4別5]
    自立した人間同士、同性同士、悩み事などを相談できる関係であれば、子どもにとっては心強いのではと思う。[同]
    ちゃんとお互いのことを親子として認識し合え、結婚式に一緒にバージンロードを歩かせてくれる間柄、何かあったらいつでも相談しやすい間柄。[別]
  • 別居親にも愛されて育ったと思える関係。[同2別2]
    子どもが別居親からも愛されているという実感が持てているような関係になっていてほしいと感じます。[同]
    別居親が大事にしてくれていたことは感じつつ、それぞれ大人として適した距離を保てるようになってほしい。[同]
  • 普通の親子関係。[同1別3]
    親子として普通に過ごせられる関係であれば良いと思います。[別]
    節目の報告がし合える関係。[同]
    子どもが一人の人間であるという事を理解して向き合う間柄になっていればいいと思う。[同]
  • 別居親に自由に会える関係。[同2別5]
    仲良くしていて欲しい。子どもにとっては世界でたった一人の母親だから。[別]
  • 別居親から迷惑をかけられない関係。[同5]
  • 別居親と交流がない関係。[同5]
    子どもに任せるが、本音は直接交流は避けて欲しい。[同]

2-8.これまで支援を受けて感じたことについてお聞かせください。
2-8-1.これまで支援を受けて良かったことはありましたか。(必須・単一選択)

同居親の97%、別居親の65%が「良かったことがあった」と感じています。

2-8-2.これまで支援を受けて嫌だったことはありましたか。(必須・単一選択)

同居親の34%、別居親の45%が「嫌だったことがあった」と感じています。

2-8-3.良かった点、嫌だった点をお聞かせ下さい。(複数選択)

「良かった点」としては、面会の実現、父母の精神的負荷軽減があげられています。「嫌だった点」としては、支援料金の高さ、担当者の不均質性があげられています。

2-9.びじっとの支援内容について、あなたの評価をお聞かせください。(必須・単一選択)

支援開始前~支援に関しては比較的満足度が高いですが、支援料金に関しては満足度が下がっています。

2-9-3.上記のように評価した理由をお聞かせ下さい。(自由記述)

【満足】

  • 最初のカウンセリングが丁寧で寄り添った内容だった。常に優しく接して頂き、感謝しています。[同]
  • 別居当初は、別居親の存在を感じることが苦痛で耐えられなかったが、そんな中でも、子供のために実施したいと考えていた面会交流を続けてこられたのは、ひとえに びじっと の支援のおかげです。[同]
  • 相手と直接連絡しなくて良くなっただけでも本当に楽になって、本当に感謝している 。[同]
  • 支援が無ければ泥沼化したと思うので、適切な距離を作って相手と直接連絡しなくて良くなった事に感謝している。[同]
  • 同居親が別れた相手に子どもを会わせたくない、というのはよくあることかもしれません。そこを調整するびじっとさんは大変だと思いありがたく思っています。[別]
  • 面会交流中も息子との時間を大切に考えてくれているなと感じることも多く、スタッフ様方一人一人の配慮が素晴らしいことに感謝しています。[別]
  • 子どもの最善の利益を考慮した支援体制を望んでいます。両方の親からの任意の申し込みが必須になっているので、親子交流が子どもにとって良いことだという認識が父母両者にあると思います。[別]
  • 支援料は自分の所得からすると高額だが、面会を支援してもらえるのはなにものにも変え難いので感謝している 。[別]
  • 担当・付き添いの方と私の相性が合わずに変えてもらいましたが、その後の担当・付き添いの方がとても素晴らしい方々で現在はとても満足しています。[別]

【不満】・・・支援による制限

  • 支援団体が入ることで行ける場所、会える人に制限が出ることはデメリット。[別]
  • 付き添い型はスタッフが声の聞こえる所にいないといけないところに違和感があり嫌でした。[別]

【不満】・・・支援料金

  • 支援料金が高く、折半にしても生活に響く。[同]
  • 料金面はシングルマザーが払うにしては高額なので、利用出来ずに苦しんでいる子供や親等沢山いると思う。[同]
  • 付き添いスタッフを1名にすれば、支援料金が下げられる。[別]
  • 支援料は自分の所得からすると高額だが、面会を支援してもらえるのはなにものにも変え難いので、感謝している。[別]

【不満】・・・面会の合意条件自体に不満

  • 同居親が日時を決めてくれなくても、別居親はお願いする事、待つことしかできず、精神的に苦痛が伴います。同居親もそれなりの苦痛があると思いますが、別居親の気持ちを汲んですすめて頂けるとうれしいです。[別]
  • 子どもを別居親に会わせることが良いと思っていないのに、第三者機関を使って面会せざるを得ず、私が費用の半分を負担しなければならないことに納得していない。[同]
  • 費用や利用方法など全て親権者側の言う通りになってしまう。[別]
  • 裁判所の命令で利用しているだけ。[別]

2-10.びじっとが現在提供している、紛争解決のための支援「ADRくりあ」をご存じですか。(必須・単一選択)

紛争解決支援「ADRくりあ」を知っている人は7割程度でした。

2-11.以下の項目の中で、もしあれば利用したい支援はありますか。(複数選択)

費用助成と面会交流個別相談は父母双方から求められています。ADRの費用助成を求める方もいらっしゃいました。また、ステップアップ支援や子育てについてもニーズが高いです。

2-12.現在の支援型、面会時間および頻度の変更についてお伺いします。
2-12-1.支援型について(必須・単一選択)

別居親から「より軽度の支援への移行」希望が多くあります。

2-12-2.面会時間について(必須・単一選択)

面会時間の長さは、同居親・別居親の間で希望がわかれています。

2-12-3.面会頻度について(必須・単一選択)

面会頻度は、同居親・別居親の間で希望がわかれています。

2-12-4.面会の支援型や時間・頻度の変更希望について、その理由をお聞かせください。(自由記述)

【より軽度な支援へのステップアップを希望】

  • もっと長く頻度高く会いたい。支援なく会えるようにしたい。[別]
  • 子供の気持ちに合わせて柔軟に対応したい。[別]
  • 子供と直接連絡し、子供が自由に行き来出来るようにステップアップしたい。[別]
  • 付き添い型を早く卒業したい。子どもと会えて嬉しく感謝していますが、どうしたら付き添い型を卒業できるのか。[別]
  • 子どもが幼い時ほど、海外のように、出来る限り多くの面会日数と時間が必要だと実感しています。[別]

【面会を減らしたい】

  • 子供たちが大きくなり部活動などを 始めるなど、親より友達との時間が増え 、相手方との面会交流時間の設定が難しくなってきた。[同]
  • 相手の性格上、会わせることによる子への影響に不安があり、払拭できていない。[同]
  • 子どもの環境的に無理強いしている状況でもあるので、見直しを図りたい。[同]
  • 子どもの 気が進まない。[同]
  • 同居親の負担が重い。[同]

【面会を増やしたい】

  • 現在は約4ヶ月に1度、1時間のリモート交流なので、時間は増やさなくてもまず少し頻度を多くして、あくまでも子供の様子を見て直接交流に出来たら、そして可能なら元々子供たちが住んでいたこちらの家に泊まりに来たり、ゆくゆくはどちらの親の家にも自由に行き来出来るようにしたいです。[別]
  • 現在3時間での面会交流を実施してきましたが、息子も私も含め、時間があっという間に過ぎてしまい、物足りない感覚で毎回面会を終えているのが現状です。正直なところあと+1時間あればというのが本音です。[別]

【現状維持を希望】

  • 今のままが1 番平和であり、同居親の心の健康も保てるため。[同]
  • 子どもがこのままでよいというから。[同]

2-13.あなたが支援卒業やステップアップをする場合、どの要素が検討ポイントになりますか。(必須・複数選択)

子どもの年齢を見ながら子どもの要望に沿いたいという意見が多くありました。

2-14.びじっとの支援をより良くするために、あなたのご意見をお聞かせください。(自由記述)

  • 支援者に寄り添ってくださる上、対応がスピーディーです。[同]
  • びじっとのお陰で面会交流ができています。本来、国が用意すべき支援です。[同]
  • こんなに大変な支援を丁寧に寄り添ってやっていただき、毎回、とても感謝しております。[同]
  • いつも優しいお声かけや子どもに対する配慮に心から感謝しております。[同]
  • LINEで支援員さんと連絡できるのが便利だし、問題解決に向けてすぐ対応してもらえて本当にありがたく思っています。[同]
  • 事前調整と当日支援スタッフの連携をしっかりしてほしい。折角事前に細やかに相談していても、当日の支援で守られないことがある。[同]
  • 当日の担当が都合で代わる場合、代役の方にきちんとルールを伝えて頂けているのか少し不安です。看護士の「申し送り」フォームなどで定型化して漏れ、抜け、聞き間違いがないようにされたら、更に良くなる気がします。[別]
  • 私は精神疾患と向き合いながら息子との面会交流を継続しています。精神疾患は医師の診断、処方薬を確実に継続することにより、決しておそれる病ではないということを、スタッフにも相手方にも理解をいただきたいです。[別]
  • 何か月も断絶期間が続く子どもがいることにスタッフの方の理解を深め、それを踏まえたコミュニケーション、スムーズな支援体制、仕組みにしていただけると子どもにとってより良くなるかと思います。[別]
  • 付き添い型でスタッフ1人、という支援型を作って欲しい。[別]
  • スタッフさんとの相性もあるので、定期的にこのようなアンケートを取るのはとても良いことだと思います。[別]
  • 料金が少し高いので安くなって欲しいです。[同]
  • 子どもの年齢を考えステップアップの提案をしてもらいたい。[別]
  • このような支援活動を広く知っていただく活動をお願いします。[別]

【3】最後にあなたについてお伺いします。

3-8.あなたの性別を教えてください。
面会対象のお子さんと、同居/別居について教えてください。(必須・単一選択)

3-7.お子さんの親権はどちらが保持していますか。(任意・単一選択)

3-2.あなたの年齢を教えてください。(任意・単一選択)

3-3.あなたの居住地を教えてください(任意・単一選択)

3-4.あなたの最終学歴を教えてください。(任意・単一選択)

3-5.あなたの現在の職業を教えてください。(任意・単一選択)

3-6.あなたの世帯年収について教えてください。(2022年の概算・税引き前)(任意・単一選択)

3-9.あなたが同居している方について教えて下さい。(任意・複数選択)

3-10.あなたは養育費を受け取っていますか、それとも支払っていますか。(任意・単一選択)

3-11.あなたが支払っている/受け取っている養育費を月額で教えて下さい(任意・単一選択)

3-12.最初に別居・離婚を申し出たのはどちらからでしたか。(任意・単一選択)

3-13.どのような方法で離婚が成立しましたか(任意・単一選択)

3-14.別居・離婚直前のあなたの収入は、世帯収入のどの程度を占めていましたか。およその割合(%)を教えてください。(任意・単一選択)

3-15.別居・離婚直前のあなたと相手の一週間あたりの家事分担について、あなたのおおよその分担割合(%)を教えてください。(任意・単一選択)

3-16.別居・離婚直前のあなたと相手の一週間あたりの育児分担について、あなたのおおよその分担割合(%)を教えてください。(任意・単一選択)