2020年6月26日

「新型コロナが面会交流に及ぼす影響 利用者コメント」

新型コロナウイルス感染リスクの中で、面会交流をおこなう父母は何を感じているのか

一般社団法人 びじっと
・離婚と子ども問題支援センター

東京・神奈川を中心に面会交流支援事業を行う、一般社団法人びじっと・離婚と子ども問題支援センター(所在地:神奈川県横浜市、代表理事:古市理奈/以下びじっと)は、面会交流支援を利用している父母を対象に、新型コロナウィルス感染リスク下における面会交流アンケートを実施しました。

利用者から寄せられたコメントの中から、代表的・特徴的なものを抜粋して紹介します。

●(同)=同居親   ■(別)=別居親  からのコメントです。

数値データを含む全体報告はこちらのページをご覧ください。


【オンライン面会交流について】

①オンラインを進めたい

■オンラインではありましたが、子供達と会話をすることができた。またオンラインでも会えるという安心感を子供達に与えることができた。(別) ・・・同様のコメント2件

■Zoomを使ったリモート面会を実施しました。リモートでも、お互いにテーマを決めて絵を書いたり、工作等を一緒にすることで、コミュニケーションがとれたのは非常によかったです。(別)

●ちょうど父子間での直接のメッセージのやり取りを始めたタイミングで、年齢やこれまでの面会交流の積み重ねなど色々な要因がうまく重なり、問題なくオンライン交流ができました。(同)

●オンライン面会交流を重ねるうちに、やる内容をお父さんが工夫してくれるようになりました。子供にとってはお父さんの新しい一面を発見できたようで、とても喜んでいました。 (同じ場所でなんとなく一緒に時間を過ごす事も親子の大事な時間だと思いますが。)(同)

●特に大きな問題はなくスムーズにオンライン交流できました。別居親は直接会うことを願うと思います。しかし子供を目の前にしたらソーシャルディスタンスを守ることは難しいのではないでしょうか?感染リスクを避けるためにもオンライン交流を望みます。また、コロナのような有事以外でも、面会交流拡大の一つとしてオンラインを検討したいです。(同) ・・・同様のコメント6件

●ベストは対面での面会交流ですが、感染状況をふまえてオンラインに切り替えることは今後もありうると考えています。基準は各都道府県の自粛要請のレベルに従うのが良いと思います。(別)

②オンラインは難しい

●オンライン面会交流ができる環境はありますが、障害があるため、1人では会話が続かず面会交流に支障が出てしまうので、オンライン面会交流は難しいかなと思っています。よい方法を見つけたいと思っています。(同) ・・・同様のコメント1件

●オンラインは自宅が映り込むので抵抗がある。自分たちの生活の場を相手に見せることはできない。(同) ・・・同様のコメント3件

●住所以外の携帯電話やアドレス、LINEなどの個人情報を一切開示しておらず、手紙以外の通信でのコンタクトを禁止しています。オンラインだと通信でのコンタクトがオープンになってしまうため、オンラインでの面会はしたくないです。離婚理由がDVの親には配慮が必要と思います。(同) ・・・同様のコメント1件

■オンラインを進めると直接会う事を避けるようになるのではないか。オンライン面会は非常事態用として、主流にしてはいけないと思う。(別)

【感染拡大期におこなったその他の交流例】

●子どもたちの写真を撮って共有した。(同) ・・・同様のコメント1件

●週に1回程度子どもと別居親で手紙のやりとりをした。(同) ・・・同様のコメント1件

■ラインで日々の他愛もないやり取りができました。(別)

■新型コロナがきっかけでiPad使って直接娘とやりとりし始めました。同居親もメッセージ内容を確認しています。(別)

【今後に向けての不安】

①面会交流の不安

■会えない間は連絡が全く取れなかったので、子供の体調等が気になって不安な気持ちで過ごしていた。(別) ・・・同様のコメント3件

■会えない間、忘れられたかも、嫌われたかもとずっと考えています。(別) ・・・同様のコメント1件

■面会交流がこのまま絶えることが心配です。(別) …同様のコメント10件

■コロナ感染を理由に面会交流の回数が減ったり時間が短くなったりすることが不安。(別) ・・・同様のコメント2件

■面会交流の再開がなかなか決まらないのではないかと心配。(別) ・・・同様のコメント1件

●コロナ期間中止めていた面会回数を支援開始後は一気に実施することを要求される可能性があり、娘の体力と精神面を考えると不安です。(同)

②感染の不安

■面会交流を行う場所が、どうしても人が多い場所なので、感染の不安がある。(別) ・・・同様のコメント2件

■万が一自分が感染していた場合、うつしてしまう可能性あるため。(別)

●別居親が、場所や行動など、適切に感染対策ができるかわからないので不安だ。(同) ・・・同様のコメント11件

●面会交流の場所にいくまで、子供たちと人混みの電車に乗らなくてはならず、交流の場所にいくだけでも、不安が大きい。(同) ・・・同様のコメント8件

●子どもはマスクをつけ続けることができない。(同) ・・・同様のコメント1件

●面会をする場所が大抵は人混みとなる場所なので、適切な面会交流場所の設定や、相手方やスタッフとの2メートル以上のソーシャルディスタンスを守ることは難しいと思う。(同) ・・・同様のコメント4件

●今後暑くなってくるので、野外での面会は、熱中症などを考えると難しいと思います。屋内での面会は望みませんが、別居親が望めば受け入れなくてはならない立場になってしまうので、大変困ります。(同)

●祖父母と同居しています。2人とも病歴ありの高齢なので面会交流により感染リスクが高まることが不安です。(同) ・・・同様のコメント1件

●面会交流で感染した場合、同居している家族や保育所への感染と繋がりかねない。保育所閉鎖となれば他の利用者へも迷惑がかかるので面会は考えられない。(同)

●万が一感染した場合、最低2週間学校から離れなければなりません。同居親も仕事に出られなくなり生活を脅かすことになります。他に同居者がいれば、その人も行動が規制されます。面会交流が原因で感染しても、別居親が生活の保証をしてくれることはないでしょう。(同) ・・・同様のコメント3件

●面会交流で一緒に食事をとるのは、感染リスクが高まるので、さけたい。(同) ・・・同様のコメント1件

●新型コロナウイルスのワクチンや特効薬が出来、流行が終息するまでは、面会交流を控えたい。(同) ・・・同様のコメント2件

●今後の第2波などきた時、どうなるか。別居親と細かく相談できないので不安だ。(同) ・・・同様のコメント1件

③感染を恐れすぎないで

■コロナを理由として、安全な時期に面会交流を行うとするならば、再来年まで無理でしょう。ですがそれは現実的ではないので、学校も再開、会社も再開になりました、今後もコロナと共に歩む未来になると思います。学校、通勤、買い物の中にもリスクは伴っており、面会交流のみリスクの対象になる事はないのでは? と思います。(別)

■面会が行われないのは、別居親、子供双方の心身に悪影響を及ぼすと考えます。まだコロナが理解出来ない小さな子達には、冷酷な事態です。少なくともこれからもコロナの影響は続きますし、上手く付き合って対応していかなければならないと考えております。 対応するスタッフの方にも影響があると思いますが、同居親にも理解して頂ける事が子供のストレスを緩和させられるのではないでしょうか。(別)

●都内への外出を伴う面会について、感染への不安はありますが、現況ではどのような状況においても感染の心配はありますので、行き先や感染予防の徹底をした上で、面会交流を実施したいと考えています。(同)

●不安な点は、びじっとを通して別居親に確認しました。(同)

数値データを含む全体報告はこちらのページをご覧ください。

<本アンケート調査に関するお問い合わせ>
一般社団法人 びじっと・離婚と子ども問題支援センター

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